いよいよ今年最後の投稿です。気が付けば今年最後の、、という投稿を5回することが出来ました。開業以来ご厚誼頂きましたお客様方にまずはこころよりの御礼を申し上げます。
で、毎年最後の投稿は「どんなことを考えながら商いに向き合っていくか」を述べてまいりました。今年もそれに倣いたいと思います。
といいながらも、開業以来のコンセプトはたいして変わらず、
)自転車に乗ってる人たちがもちょっと優遇される為に
)自転車を毎日有効活用する人を増やさねばならない
)日常使用することが楽しい自転車をもっと流通させる
)そのために「太いか、長いか、小さいか」の車両に注力
ということを通して日本最初の株式会社(と司馬遼太郎が著述していた)「亀山社中」が維新回転に独自の貢献をした様に、「自転車という素晴らしい乗り物を世に押し出す」にあって独自の貢献をしたいと思っているわけです。
そんなことを推進していくに今年ちょっと気が付くことがありましてそれを述べていきます。それが、タイトルの「正しさより楽しさ、、」ということなんですね。
尊敬して著書を拝読しております「日本一の大商人」の言によれば、21世紀では「正しい」ということよりも「楽しい」事の方が優先されるようになるそうです。自転車に関して言うならば、「合理性」が最優先されるわけではない、「非合理的」な楽しみ方にこそ注目が集まるようになる、、ということなのではないか、と思う次第。
そう考えますと、、うちでやってまいりました「手稲山ヒルクライム朝練」「南風自転車店認定BromptonSakaBakaChampionship」「B(ブロンプトンで)B(ブルベに出る人たちの)C(コミュニティ)北海道ミーティング」「折畳自転車限定!美ら島センチュリーラン参戦ツアー」なども多少なりとはいえ意味を持つ行いだと確信できるようになってきたわけです。
いずれの行いもまだまだ「あほですか、、」といわれていると思うんですが、なんだかんだと続けることが出来ている、ジワジワとですが参加者も増えている、、ことが「正しさよりも楽しさ」が評価される、、とされる世の中が近づいていることを私に教えているように思えるんです。
ここで、何の脈絡もなく話は漫画に飛びます。かの楠みちはるの名作漫画「湾岸ミッドナイト」に非常に興味深いお話があるのをご紹介させてください。作品の中で主人公のライバルとして「湾岸の怪鳥ブラックバード ポルシェ911」が出てきます。この911に関してかなり詳しく述べているお話があるんです。
ポルシェ911ってのは、もともとミッドシップレイアウトの2人乗り自動車として開発がスタートしたそうです。ですが、2人乗りだと実用性に欠けるから、4人乗りにしてほしいという営業サイドからの要望で、エンジンレイアウトを後ろにずらしてリアエンジンリアドライブの4人乗り自動車になったんだとか。「スポーツカー」としてみた場合は当初の計画が「合理的」なわけですが、「非合理的」な自動車になったお陰で、「強烈なトラクション」「後ろから蹴飛ばされるような豪快な加速」「自動車の中心にドライバーが来る為に掌の中で自動車を扱えているような感覚」など、911独自のドライビングフィールが生まれ、出荷された車両の中で運用され続けている割合は、数あるポルシェの中でも最も多いんだそうです。うーむ、運転してみたいもんですな(笑)。
これって、、「人間という非合理的な存在」が操る乗り物としてみたときにとっても大事な観点じゃないかと思うわけです。合理性を最も追及する(と楠みちはるは言ってました)ポルシェというメーカーの超ロングセラーが、ボタンの掛け違いから生まれた「非合理的な乗り物」だったというのは実に興味深い。その乗り物を評価する人間自体が「非合理的な存在」ということだと思うわけです。
であれば、人間の果たす役割が自動車よりもはるかに多い「自転車」の場合、「非合理的な楽しみ方」が沢山あってしかるべき、、様に思えているわけなんですね。そう思えば、最近ロード車両の一つの潮流ともなっている「グラベルロード」。あれだって、オフロードに行きたいんだったらMTBにすりゃいいじゃないか、、ではないんですよねぇ。最近動画サイトなんかを見ていれば、グラベルロード車で、、場合によってはロードレーサーでトライアルをやっているような作品がどんどん出てきます。この辺って、自転車の楽しみ方の中に、自転車が本来持っている
自由
をもっと盛り込んでもいいじゃないか、、という人が増えてきていることの証左ように思える訳です。そんな人をどんどん増やしていくことが、自転車という素晴らしい乗り物をもっと世に送り出すために重要なことだと思っているわけです。その流れへ当店らしく貢献したいなぁ、、という取り組みが上に示したような「折り畳みの自転車を使っていろいろやってみましょう、、」である、と考えているわけなんです。
その点世界的に認められてます「BroptonWorldChampionship」だって、ネクタイと背広(死語)でレースするなんて、「あほですか?」の極みの一つですし、第一回大会は実は舞台がスペインのバルセロナだったのを覚えてらっしゃる方少なくなったでしょうね。あれだって、スペインのちょっと変わった奴らが面白がって始めたことが大きく評価されることになって、メーカーがあとから乗っかってきたのを思い出しているところです。
それをすることで何がどうなるのか、、なんてなことは全く分かりません。何故って、、それ自体が「非合理的な」取り組みなんですから何が起きるか、、何をもたらすかなんて私如きにわかりようがないわけです。しかし、、そういった取り組みが出来ること自体が人間であるわけですし、、こういった取り組みこそが「人間らしい」といわれるような世の中に向かって行ってるように思っているわけなんですよね。
イヤハヤ物は言いようで、、なんかすごい事を考えているように思っていただけましたでしょうか(笑)?実はなんも考えてはおらず、、なんだか面白そうだよね、、でやってるだけなんですよ(大笑)。というわけで、、これからも
如何に「アホですか?」といってもらえるか、、
を追求してまいりたいと思います。引き続きご厚誼頂けますよう心よりお願いいたします。
今年一年お付き合いいただきましてありがとうございました。来る年もよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。
新年は1月4日よりの営業です。それまでブログの方もちょこっとお休みいたします。たまに更新するかもしれないので、お暇なときご覧になってみてチョ。
Fold your bike! Free your mind!